デジタル一眼レフカメラ、PENTAX K-7の話題を、谷口泉氏が撮影現場の話題も交えておとどけします。

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谷口泉

た に ぐ ち い ず み

 

1967年東京生まれ。東京工芸大学卒業。ネイチャーフォトを軸に作品制作に取り組む傍ら、写真文化の普及をライフワークとし記事の執筆、セミナー講師、写真審査など精力的に活動中。フィルムはもとより、デジタルカメラも黎明期より積極的に取り組み、ハードソフトともに精通するデジタルフォトのスペシャリスト。ペンタックス社「林檎の秘密デジタル」、双葉社「デジタル一眼使いこなし百科」、日本カメラ社「はじめるデジタル写真生活」、「デジタル撮影の適性露出と色彩調整」など著書多数。

第19回 smc PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited

DA 70mmリミテッドは、その使い勝手、描写力から、ポートレート用として定評があります。また、中望遠として幅広いシーンでも活躍してくれます。守備範囲が広く、優秀なレンズと言えるでしょう。

 

風にゆれる穂を動感撮影する。瞬間にわいたアイデアで、さっとF22まで絞り込み、1.3秒のスローシャッターで撮影しました。フワッとしたぶれ描写に、DA 70mmリミテッドらしいしっかりとしたコントラスト感がマッチします。

 

DA 70mmリミテッドは、F2.4の大口径な中望遠としては、驚異なまでにコンパクトなレンズ。ホールディングが良いので、かなりのスローシャッターでもぶれを抑えやすくなります。

※上の画像をクリックすると拡大表示します

一眼レフカメラの魅力は、もちろんレンズ交換です。ただし、たくさんのレンズを現場に持ち込んで、忙しなく交換しながら撮影するのは避けたいもの。考え方によってはレンズ交換も時間をロスする作業のひとつです。

撮影シーンに合わせた機材を選ぶこと

先月より、仕事でモデルロケに入っています。夕景、夜景、スタジオとシーンを変えながらたくさん撮影する。こんなとき、ボクは写真のイメージや作業の流れを統一させるため、カメラとレンズをできるだけ変えないで撮影するようにしています。

今回は、K-7とDA 70mmF2.4 Limited(以下、DA 70mmリミテッド)の組み合わせをメイン機材に決めました。プランニング時には、DA★ 55mmF1.4 SDMと悩んだのですが、今回は機動力を生かしたイメージにしたかったので、DA 70mmリミテッドで取り組むことにしました。

このDA 70mmリミテッドは、明るい望遠レンズのなかでは抜群の機動力を持っています。こうした仕事ではいろいろなサイズで出力されることを想定しているのですが、もちろん描写性能も心配ありませんでした。

気軽にもう一本、超コンパクトな中望遠レンズ

DA 70mmリミテッドは、K-7に装着した場合、35ミリ判換算の焦点距離でいえば107ミリ相当となります。感覚としてFA 77mm F1.8Limited(以下、FA 77mmリミテッド)のデジタル版というイメージもありますが、実際には、それよりも短い中望遠クラスのレンズの感覚だと思います。

全長26mmという薄型コンパクトボディは、中望遠という焦点距離からは想像できないくらい小さく感じますが、中望遠クラスでこの軽快感とは、逆に圧倒的な存在といえます。

レンズがコンパクトになると、撮影者の動きが良くなるだけではありません。ホールド時の負担も少なく撮影できるので、夕景などの光量がどんどん落ちてゆく撮影でも、手持ちで撮影できる時間を長くすることができます。夕景は、雰囲気の変化がたいへん速く、それに対応した撮影が必要です。そうした撮影では、途中で三脚の取り付けはもちろん、レンズ交換はおろか、ズーミングする動作すら煩わしく感じることがあります。そんなシーンでもK-7+DA 70mmリミテッドなら、自分がガンガン動いて撮影できるのが良いですね。

明るいF2.4の開放でポートレートで存分にボケ味を楽しむのはもちろん、絞り込んだ風景まで、たいへん幅広く使える望遠レンズです。

ボクのように広角系を多用するカメラマンにとって、中望遠系はこのレンズがあれば、まったくもって充分という感じです。とにかくコンパクトなので、ちょっと一本という気軽さで、カメラバックに忍ばせておく使い方も、たいへん気に入っています。

よく似た兄弟レンズとして、FA 77mmリミテッドを、K-7に装着して写真を楽しんでいる人も多いと思います。描写でいうと、柔らかいFA 77mmリミテッドに対し、どちらかというとDA 70mmリミテッドは硬めなテイストを感じます。カリッとしたシャープネス、抜けの良いコントラスト感などを狙う時は、DA 70mmリミテッドがいいという印象です。